イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第11節、髙橋藍所属のパドヴァ(10位)は現地時間3月12日(日)にアウェイでピアチェンツァ(6位)と対戦し、1-3(15-25, 25-18, 21-25, 21-25)で敗れました。
この結果、パドヴァはレギュラーシーズンを昨シーズンより1つ上がった10位で終了することとなりました。
髙橋はスタメンで出場し、チーム最多の14得点の活躍でした。
第1セットスタメン
パドヴァ
OH:髙橋、デスメット(ベルギー)
MB:ヴォルパト(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
ピアチェンツァ
OH:ルカレッリ(ブラジル)、レアル(ブラジル)
MB:シモン(キューバ)、カネスキ(イタリア)
OP:ロマノ(イタリア)
S:ブリザール(フランス)
L:スカンフェーラ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、序盤からMBシモンのサーブとブロックでピアチェンツァが1-3とリードすると、さらにOPロマノのサーブからサービスエースやOHレアルのスパイクで5連続ブレイクをしたピアチェンツァが4-11と点差を大きく広げます。
パドヴァもそこからOH髙橋のスパイクやサービスエース、MBクロサートのブロックなどで13-17と少しずつ点差を縮めますが、再びOPロマノの2連続サービスエース、さらに続くOHレアルのサーブから4連続ブレイクを奪われて15-25でこのセットをピアチェンツァが取ります。
第2セット、序盤はパドヴァがOPペトコヴィッチや1セット目途中から入ったOHアスパルホフ(ブルガリア)のスパイクで5-2とリードします。
そこから再びOPロマノのサービスエースで6-5と1点差となりますが、中盤にOH髙橋のサーブから自身のパイプ攻撃などで連続得点を奪い12-8と再びパドヴァが点差を広げます。
試合はそのままパドヴァリードで終盤まで進み、そこからさらにOH髙橋がスパイクとサービスエースで連続得点を決めて20-15すると、最後はOHアスパルホフの2連続サービスエースが決まって23-18でこのセットをパドヴァが取り返します。
第3セット、出だしは競った展開が続くもMBカネスキのブロックとスパイクで連続得点を決めたピアチェンツァが5-8と抜け出すと、さらにOHレアルやOPロマノのスパイクで9-14と点差を広げます。
パドヴァもMBクロサートの決定率の高いクイックなどで応戦しますが、OH髙橋が相手ブロックに捕まるなどしてなかなか点差を縮められず、そのまま最後はOHレアルのクイックで21-25としたピアチェンツァがこのセットも取ります。
第4セット、序盤パドヴァはOH髙橋とOHアスパルホフ、ピアチェンツァはOHレアルや途中出場のMBアロンソ(キューバ)で得点を重ねて8-9と競った展開が続きます。
しかしOPロマノのサービスエースとOHルカレッリのパイプ攻撃で8-12とピアチェンツァが抜け出すと、さらにMBカネスキのサービスエース、Sブリザールの強烈なサーブからのダイレクトスパイクなどで13-19とピアチェンツァが点差を広げます。
パドヴァもOPペトコヴィッチのサービスエースやOHアスパルホフのスパイクなどで17-20と3点差まで追いつきますが、終盤でまたしてもOPロマノがこの試合6本目となるサービスエースを決めると、最後はMBアロンソのクイックが決まり21-25でこのセットもピアチェンツァが取ります。
結果、セットカウント1-3でパドヴァはピアチェンツァに敗れました。
MVP:OPユーリ・ロマノ(19得点(うちサーブ6、ブロック2)、アタック決定率44%)
髙橋藍はチーム最多の14得点(うちサーブ2)、アタック決定率43%、サーブレシーブ成功率56%の活躍でした。
この試合を持って今季レギュラーシーズン全日程を終えたパドヴァは、7勝15敗18ポイントで最終順位を10位としました(昨季は11位)。
この結果、パドヴァは9~11位の3チームで2回総当たり形式で行われる5位決定戦予選に進みます。
試合の感想など
レギュラーシーズン最後の試合にして、髙橋の対角のアウトサイドヒッターがサーブレシーブで崩されて負けるという今シーズンを象徴する形での敗北を喫したパドヴァ。
スタメンのだったデスメットは開始早々に2失点して交代、次に入ったアスパルホフも4失点かつ成功率も19%。
髙橋もこの試合はサーブレシーブが3失点と多かったですが、少なくとも2本は隣のアスパルホフのカバーに意識が行き過ぎて逆を突かれたようなエラーでした。
まあこれが今シーズンのパドヴァなのでしょう。
確かに勝つことでプレーオフの対戦相手が変わったピアチェンツァに比べ、勝っても負けても状況に何の変化もないパドヴァとではモチベーションに雲泥の差があったことは否めません。
しかしそうした中でも1セット取り切ったことはとてもよかったと思います。
やっぱり髙橋は最後までいい選手でした。
いつもと比べると被ブロックが4本とやや多かったですが、決定率の上がらなかったペトコヴィッチの分までハイボールが集まったことを考えると仕方ない部分もあります。
しかしサーブでは2本のエースを奪って相変わらずの仕事人ぶり。
すばらしい。
最後の試合まで常に最低限の仕事をこなす安定感は抜群でした。
アスパルホフもサービスエース3本、アタック決定率も50%(失点1)と攻撃面では申し分ない数字でしたけど、前述のとおりサーブレシーブが壊滅していました…。
またこの試合はミドルのクロサートもアタック決定率7/7で100%、ブロックも2本と大活躍。
クロサートもまだ若く、アンダーのイタリア代表にも選ばれた選手であるので、今後の成長にも期待したいところです。
ピアチェンツァはとにかくロマノにやられました。
サービスエース6本はえぐすぎる。
エースじゃなくてもブレイクしまくりでもうどうしようもなかったですね。
正直この日のピアチェンツァは全体的にはそれほどサーブが走っていたわけではなかったと思いますが、とにかくロマノが良すぎました。
でも改めてパドヴァは降格回避おめでとう。
来シーズンは髙橋がモンツァに行くうわさが出てるのでもう髙橋の残留はなさそうですが、来季どんなチームになるのかちょっと不安ですが楽しみにしてます(笑)。
これを書いている時点ですでに5位決定戦予選の第1戦が終わりましたね。
なんかもうどっちも練習試合みたいな感じだったし、ペトコヴィッチもすでにカタールに出稼ぎに行ってしまったので(笑)、このピアチェンツァ戦が今季最後の本気試合だったと思います。
とりあえずみんな大きな怪我なくレギュラーシーズンを終えることができてよかった。
おつかれさまでした。
写真:Lega Pallavolo SerieA