試合レポート

宮浦健人所属ニサ、OPベンタラが5エースでピンチを救い3-0でリヴィウに勝利

2023年2月25日

ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)第30節、宮浦健人所属のニサ(8位)は現地時間2月24日(金)にホームでリヴィウ(14位)と対戦し、3-0(25-20, 25-23, 25-23)で勝利しました。

宮浦健人は全セットでリリーフサーバーとして途中出場し、自身のサービスエースで1得点の活躍でした。

第1セットスタメン

ニサ

OH:ゲルジョット(ポーランド)、クファソフスキ(ポーランド)
MB:クラムチィンスキ(ポーランド)、ゼルバ(アルゼンチン)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:ズコウスキ(クロアチア)
L:デムビエツ(ポーランド)/ビニエク(ポーランド)

リヴィウ

OH:クヴァ―レン(ノルウェー)、フィルカル(スロヴァキア)
MB:シュチュロフ(ウクライナ)、スモイラー(ウクライナ)
OP:トゥプチィ(ウクライナ)
S:イェニパザル(トルコ)
L:カナイエフ(ウクライナ)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

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試合レポート

第1セット、序盤からニサはOPベンタラらサイドアタッカーでサイドアウトを取りつつOHクファソフスキのブロック、MBクラムチィンスキのブロックやサービスエースなどでブレイクを奪って11-6とリードを広げます。

リヴィウもOHクヴァ―レンやOPトゥプチィら左利きの3人のサイドアタッカーを中心に得点しますがブレイクを取るには至らず、逆にニサがOHゲルジョットのアタック、ブロック、サービスエースなどで22-14と更に点差を広げます。

23-16の場面でリリーフサーバー宮浦が投入されましたが残念ながらサーブはミスに。

その後24-17とニサがセットポイントを握ったあとでOPトゥプチィのサービスエースなどでリヴィウが24-20と点差を縮めますが、最後はそのOPトゥプチィのアタックミスでニサが25-20としてこのセットを取ります。

第2セット、序盤からOHフィルカルがサーブでOHゲルジョットを狙い、エースを含む3連続ブレイクしてリヴィウが2-6と先行します。

そこからニサもOPベンタラのアタックやリリーフサーバーで入ったOP宮浦のエースで15-15と追いつきますが、リヴィウがMBスモイラーの連続サービスエースなどで18-23と一気に突き放します。

しかしその後OPベンタラにサーブが回ってくると、強烈なサーブで次々と相手レシーバーを吹っ飛ばし、最終的には5本のサービスを含む6連続ブレイクで一気に試合をひっくり返して25-23でこのセットもニサが取ります。

第3セットは序盤から競った展開が続き、ニサはOPベンタラやOHゲルジョット、リヴィウはOHクヴァ―レンを中心に得点を重ねて13-13まで進みます。

そこからOPトゥプチィのサービスエースなどでリヴィウが13-15と抜け出しますが、ニサもOHクファソフスキがOPトゥプチィをブロックで仕留めるなどして15-15と追いつき、その後はまた2点差以上開かない競った展開に。

20-19の場面から再びリリーフサーバーでOP宮浦を投入するもサーブミスとなり20-20とまた並ばれます。

しかし23-22の場面からOPベンタラがOPトゥプチィのスパイクをシャットアウトして24-22とニサが2点差をつけてセットポイントを握ると、最後はOPベンタラのキレのあるスパイクがリヴィウコートに突き刺さり、25-23でこのセットを取ったニサが3-0でリヴィウに勝利しました。

MVP:OPワシム・ベンタラ(21得点(うちサーブ5、ブロック2)、アタック決定率50%)

宮浦はサーブで1得点の活躍でした。

これでニサは通算14勝12敗43ポイントで7位に浮上。

次は現地時間3月6日(月)20:30(日本時間翌4:30)からアウェイで12位のカトヴィツェと対戦します。

試合の感想など

リヴィウとの試合は前半戦は宮浦が初めてスタメンで出た試合だったので、今回ももしかしたらスタメンかもと思って見ていましたが、残念ながらそうではなかったですね。

OPベンタラ最近めっちゃ調子いいですから仕方ないです。

この試合でもベンタラはそのバケモノっぷりを発揮し、18-23から5エース6ブレイクで逆転させるという荒業というか偉業を成し遂げました。

前回の宮浦の8ブレイクもすごかったですけど、今回は18-23ともうほとんど相手が確実にこのセットをとるだろうという展開をひっくり返し、さらに6つのブレイクうち5つが直接的なサービスエース!!

2本連続で決めた時点ですでに画面越しに目を丸くしていた僕ですが、そこから同点に追いついたときは思わず声が出て、更に逆転した時はもうズゴすぎて笑うしかなくて、セット取ったときはなんかもうポカーンって感じでした(笑)。

こんなんやられたら宮浦のネットインでのサービスエースやゲルジョットの2連続サービスエースも全部かすんじゃいますよ…。

ベンタラ、この試合はスパイク効果率が36%とやや失点が多く決して本調子ではなかったと思うんですが、このプレーで一気にMVPをかっさらいましたね。

会場の雰囲気もヤバかったんだろうな…。

リヴィウもサイドアタッカーの3人が全員左利きで面白いしいいチームでしたが、ニサを倒すにはサーブが甘かったのとアタックのミスがやや多かったですね。

それでも元FC東京(現東京GB)のOHクヴァ―レンがかなり活躍していたのはなんだか嬉しかったです。

またこの試合はリヴィウ側の応援の声もかなり聞こえていました。

近隣に住むウクライナ人の方々が応援に駆け付けていたんでしょう。

なんだかんだでロシアのウクライナ侵攻からもう丸1年が経ってしまいました。

この戦争で未だに多くの死傷者が出ているほか、バレーボールに関して言えば未だに侵攻以来ロシアのチームは国際大会から追放されています。

選手たちには罪はないはずなのに、本当にいろんなところにいろんな意味の犠牲者を出す戦争というものは本当に悪いことしかない。

1日も早い戦争終結を願うばかりです。

写真:PSG Stal Nysa

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