試合レポート

髙橋藍所属パドヴァ、昨季王者をフルセットで撃破!

2022年10月10日

イタリアセリエAスーパーリーガ第2節、髙橋藍が所属するパドヴァは現地時間10月9日にアウェイで昨シーズン王者のチヴィタノーヴァと対戦。試合はパドヴァが3-2(23-25, 20-25, 25-20, 16-25, 15-12)で勝利し開幕2連勝。また先週に続いてのジャイアントキリングとなりました。

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いやまたまたパドヴァがやってくれました。しかも今回倒したのはディフェンディングチャンピオンのチヴィタノーヴァですよ。前回王者どころか、コロナで中止になったシーズンを除けばリーグ3連覇中の絶対王者ですよ。メンバーもイタリア代表のザイツェフやアルゼンチン代表のデチェッコなど強者揃いのバレー界の銀河系軍団ですよ。パドヴァは今回そんなヤバいチームに勝っちゃったわけです。

この試合、パドヴァはサーブもとても走ってて効果的でしたし、アタックもコンスタントに決まっていてサイドアウト率も高かったですが、個人的にやはりこのチームを支えているのはやっぱり守備力だと思うんですよね。だってボールが全然コートに落ちない。本当に。そしてその中心にいるのがリベロのツェンガー(ドイツ)と、我らが髙橋藍ですね。

この日の髙橋はサーブレシーブ成功率驚異の77%。また数字はないですが、ディグも相当数上げていたと思います。繋ぎの場面での貢献も素晴らしく、第3セット終盤の味方の大きく弾いたサーブレシーブを走りながらもアンダーで丁寧にトスしてそれをオポジットのペトコヴィッチ(セルビア)が得点に変えたシーンは痺れました。職人すぎました。

加えて髙橋は攻撃面も絶好調で、アタック20得点で決定率54%。特にこの日は強打だけでなくフェイントやブロックアウトなど引き出しの多さも見せてくれていました。しかし一番痺れたのは第3セット序盤で相手の3枚ブロックをブチ抜いて得点した場面ですね。チヴィタノーヴァの3枚ブロックをもろともせずに決めちゃいましたよ彼は。前衛での攻撃力が不安と言われていた髙橋はそこにはもういませんでしたよ。

もちろんサーブも素晴らしかった。この試合髙橋にエースこそ出ませんでしたが、ダイレクトで返ってくるような事実上のエースはありましたし、サーブをミスさえしなければほとんどの場合ブレイクが取れていたんじゃないかというくらい効果的なサーブを打ち続けてました。この試合の5セット目の均衡を破ったのも先週に引き続き髙橋のサーブからの連続ブレイクでしたし。

藍くん、あんた凄すぎるよ。

そんな大活躍だったのでこの試合のMVPも当然髙橋です。文句なしです。BIG4の2チーム相手に開幕2連勝しただけでも大事件なのに、その試合で連続でMVPとるだなんてもう言葉にできませんよ。正直ここまでの選手だとは思っていませんでした。ごめんなさい。もう髙橋は確実にパドヴァの中心選手に間違いないです。

でも髙橋の対角に入ったアウトサイドのデスメット(ベルギー)やアスパルホフ(ブルガリア)はサーブでかなり相手を苦しめたし、ミドルのカネッラ(イタリア)のブロックも良かったし、クロサート(イタリア)のクイックもアクセントになってたし、オポジットのペトコヴィッチは難しいハイボールを何度も決めてくれたし、第5セットのセッターサイッタ(イタリア)のツーには震えた。

なんだかんだみんなで掴んだ大勝利でした。チームでした。

一方のチヴィタノーヴァはアウトサイドのザイツェフとパドヴァから移籍したボットロ(イタリア)を中心に得点を重ねていましたが、オポジットのガルシア(プエルトリコ)と途中で入ったニコロフ(ブルガリア)の調子が思うように上がらず、結果そこの差で勝負が決まったように見えました。しかし彼らも20歳前後とまだまだ若いのでふとしたきっかけを掴められれば、一気にガッと成熟してくるでしょう。特にニコロフは本職はアウトサイドなのでまだまだオポジットには慣れていないと思うんですが、すでにここまでできるのはそう考えると恐ろしい。若い才能って恐ろしい(もちろんほめてます)。

パドヴァの次の試合は、現地時間10月16日(日)20:30(日本時間翌3:30)からアウェイでチステルナとの対戦になります。こちらも開幕2連勝、しかも失セットゼロと波に乗っているチームなのでBIG4でないとはいえ油断できません。

次も頑張れ藍くん、頑張れパドヴァ!

なおイタリアリーグは全試合Volleyball World TVで生配信、アーカイブ配信されています!まだ利用されていない方は、下記リンクから視聴方法を確認して一緒に選手を応援しましょう!!

写真:Lega Pallavolo Serie A

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