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バレーボールの新ルールについて

2025年6月4日

バレーボールのルールが2025年から少し変わったことはご存知でしょうか。

本記事では今年から変更されたバレーボールの国際ルールの従来と異なるポイントについて解説します。

バレーボールの新ルール

FIVB(国際バレーボール連盟)より2025~2028年に開催される大会向けに新ルールが作成されました。

Official Volleyball Rules 2025-2028

従来のルールとの主な変更点は以下の5つです。

①サーブ側のポジショナルフォルトの廃止
②ボールアウトの明確化
③スクリーンの厳罰化
④ラリー中のチャレンジの廃止

⑤ダブルコンタクトの緩和(一部大会のみの試験導入)

これらについて順番に解説します。

①サーブ側のポジショナルフォルトの廃止

  • 従来:選手たちはサーバー以外、規定のポジションに整列している必要があった。
  • 新ルールサーバー以外のサーブ側のチームの選手たちは、サーブ前から自由に動いて配置可能
    • 例)ポジション2(前衛ライト)にいるアウトサイドヒッターが、他の選手の位置に関係なくサーブの前にレフト側にいてもいい。
  • 目的:サーブレシーブ後の移動を円滑にし、より高速な攻撃展開を可能に。

従来、サーバー以外の選手は所定の位置に並ぶ必要がありましたが、今後はサーブ側のチームの選手に限りサーブを打つ前から自由にポジションを取ってOKになります。ただしサーブレシーブ側は従来通りローテーションの位置関係を守る必要があります。

②ボールアウトの明確化

  • 従来:ボールがネット(アンテナ)の外側を通っても、審判の判断によってプレーが続いた。
  • 新ルール2回目または3回目のタッチの後、ボールがネット(アンテナ)外の空間を超えた瞬間に即「アウト」
  • 目的:明確な判定基準の導入で抗議や混乱を防止。

2回目または3回目のタッチの後、ボールがネットの外側を通って相手側に行こうとした瞬間にアウトとされます。ただし1回目のタッチ後に関しては従来通りの判定となります。

③スクリーンの厳罰化

  • 従来:サーブ時に味方がボールを隠す「スクリーン」は禁止だったが、事実上黙認されていた。
  • 新ルール:主審が「意図的なスクリーン」と判断した場合は即「サービス(サーブ)失点」とする明確な罰則。
    • 例)前衛の選手が密集して手を広げ、サーバーを隠す動作が見られた場合。
  • 目的:不正を抑制し、サーブレシーブの公平性を確保。

サーブ時に相手の視界を故意に遮る「スクリーン」は以前から禁止されていましたが、今後は主審が「意図的」と判断すれば即サービス失点となります。特にサーブ時にサーブ側の選手が手を頭頂部より高く上げる行為は即「意図的なスクリーン」とみなされ失点となります。

④ミッドラリー・チャレンジの廃止

  • 従来:ラリー中にプレーを止めてチャレンジを要求できる「ミッドラリーチャレンジ」制度があった。
  • 新ルールラリーが終了するまではチャレンジ申請できない
  • 目的:プレー中断の防止、ゲームフローの維持。

かつて一部で試験導入されていた「ラリー中のチャレンジ要求」は、プレーの妨げになるとの理由から廃止されました。

今後は、ラリー終了後にのみチャレンジが可能です。またラリー終了後にサーブを打ってからラリーが終わるまでのすべてのプレーに対してチャレンジを要求することができます。

⑤ダブルコンタクトの緩和(一部大会のみの試験導入)

  • 従来:1回の動作中の2度触り(例:指先でボールが2回触れる)は「ダブルコンタクト」とされ反則。
  • 新ルールボールが同じチーム側に残っている限り許容される
    • 例)セッターが乱れたボールをトスした際に2回手に触れても、相手コートに渡さなければOK。
  • 目的:ラリーを止めず、流動性のあるプレーを実現。

これまでダブルコンタクトとして反則だった場面でも、ボールが自チーム側に留まる限りは、ダブルコンタクの反則が許容されるようになります。ただし明らかにそれぞれ違う動きで続けて2度ボールに触った場合は従来どおりダブルコンタクトの反則となります。

※こちらのルールはVNLなど一部大会で試験導入されるルールで、効果検証後に恒久ルール化が検討されます。

ルール変更の影響に注目!

スポーツのルールの変更は、これまでチームの戦術から個人のプレースタイルにまで影響を与えてきました。

今回のルール変更がどのように試合に影響するのでしょうか。観戦の際は、ぜひ新ルールにも意識を向けて楽しんでみてください!

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Photo: Volleyball World

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