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大塚達宣が高パフォーマンスで勝利に貢献!ミラノがパドヴァにストレート勝ち【イタリアスーパーレガ5位決定戦】

現地時間4月18日(金)にイタリアスーパーレガ5位決定戦予選第3節で、大塚達宣が所属するミラノとパドヴァが対戦し、3-0(25-22, 25-21, 25-15)でミラノがパドヴァに快勝した。

イタリアリーグでは、プレーオフの準々決勝で敗れた4チームとレギュラーシーズンで9、10位だった2チームの計6チームによる5位決定戦が行われる。まず総当たり1回戦で予選を行い、その後上位4チームによるトーナメント戦を経て勝者が決定される。5位になったチームは来季のCEVチャレンジカップへの参加券を得ることができる。

ただこの5位決定戦はあまり関心を持たれていないせいか、この日の観客は少なめだった。またレギュラーシーズンでは見受けられたVIP席も設けられていなかった。それでもやはり大塚を見るためか、日本人らしきお客さんの姿は目立っていた。

ミラノ、パドヴァともに和やかな雰囲気の中ウォームアップを進める。大塚もいつもどおりチームメイトとのコミュニケーションを楽しんでいるようだった。

スタメンは、OH大塚を含めほぼベストメンバーで試合に臨むミラノに対し、パドヴァはSファラスキ以外は控えメンバー。パドヴァは基本的にスーパーレガ残留を目標とするチームで、それ以上はあまり望まないどころか、むしろチャレンジカップに参加してしまうと負担が増えるため、若手に経験を積ませる機会と割り切っている(それでもここまで1勝)。

スパイクを放つOH大塚

第1セット、序盤は競った展開になるが、OH大塚のブロックやSポッロのサービスエースなどでミラノが13-9とリードを広げる。その後もミラノがOH大塚やOHガルディーニらのスパイクを中心に得点を重ね、25-22でこのセットをミラノが取る。

第2セット、パドヴァがOHオリオーリのサービスエースで2-3と一度前に出るが、そこからパドヴァにミスが重なり10-7とミラノが逆に抜け出す。その後OPレゲルスのスパイクやサービスエースで15-9とミラノがさらに点差を広げる。終盤にパドヴァが途中出場のOHポッロ(ミラノのSポッロの弟)のサービスエースなどで24-21と点差を縮めるも、最後はパドヴァのサーブミスで25-21でこのセットもミラノが取る。

第3セット、パドヴァのミスやOH大塚のパイプ攻撃でミラノが3-0と出だしからリードを奪う。パドヴァはMBポロのブロックなどで4-4とすぐに追い付くも、そこからOHガルディーニの連続エース、MBカネスキのエースとミラノがサーブで攻めて11-6と一気に点差を広げる。その後もOPレゲルスのスパイクやOHガルディーニのブロックなどでミラノが得点を重ね、最後もOPレゲルスがスパイクを決めて25-15でこのセットを取り切ったミラノが3-0で勝利した。

試合のスタッツはこちら

ミラノは5位決定戦3試合目にしてやっと1勝目を手にすることができた。準々決勝から数えると実に6試合ぶりの勝利だった。

MVPはOHガルディーニ。チーム最多13得点(アタック8(効果率53%)、サーブ2、ブロック3)と久々のスタメン出場で存在感を見せた。相変わらずサーブレシーブは苦手としていてこの試合でも苦しんでいたが、乗ればそれを補って余るほどの得点力を備えている。その分OH大塚のサーブレシーブが安定しているので、個人的には残りの試合もこのままガルディーニと大塚のOH対格でいいんじゃないかと思う。若いし。

スパイクを放つOHガルディーニ

そのOH大塚は観客投票によるMVPを受賞。8得点(アタック7(効果率64%)、ブロック1)、サーブレシーブ成功率73%と高いパフォーマンスを見せた。またディフェンスやつなぎの面など数字に表れない場面での貢献度も非常に高かった。高いコミュニケーション能力も含め、ここにきて本当にチームの核となる選手に成長している。

大塚が5試合連続のスタメン出場を果たしていることにもそれが表れている。ミラノのピアッツァ監督は大塚について「シーズン序盤は怪我からの回復のためにプレーを制限していたが、その後大きく成長を見せた。ディフェンスは元々よかったが、今はスパイクが強化され、ブロックもまだ課題があるものの良くなっている」と評価。その一方で「サーブにはまだまだ伸び代がある」と更なる成長に期待を寄せた。

サーブレシーブするOH大塚

また試合後も観戦に来ていた地元のアメフトチームと交流したり、ときにイタリア語でのジョークも交えながら待っていたファン一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを楽しんでいた。プレーだけでなくこういう面でも確実にファンの心を掴んでいるに違いない。

一方敗れてしまったパドヴァだが、ドーピングにより4年間の出場停止処分から復帰を果たしたMBポロのプレーを見ることができたのはよかった。彼は2019/20シーズンに同クラブで石川祐希とも共にプレーした選手で、シニアA代表入り間近というところでの出来事で僕の大変ショックを受けたが、またここから頑張ってほしいと思う。

左端がMBポロ

また若手中心だったパドヴァのメンバーの中で21歳ながらベンチにいたOHルカ・ポッロ。パリ五輪イタリア代表で、レギュラーシーズンでは不動のスタメンだったため、今回そうなるのは当たり前だが、ベンチでの雰囲気や佇まいがもはやベテラン選手のそれのように感じられた。この選手はこれからもっと伸びるだろう。

ミラノはこれで5位決定戦の成績を1勝2敗3ポイントとし、6チーム中3位。予選の残り2試合は、日本時間の23日(水)27:30からアウェイでグロッタッツォリーナ、27日(日)24:30からホームで垂水優雅所属のチステルナとの対戦が控えている。

どのチームも実力が拮抗していてなかなか結果が読めないが、いい形でシーズンを終えられることを願う。

イースターにちなんだウサギポーズ

Photo: legavolley.it, TOSHIKI

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