現地時間4月1日(火)、石川真佑が所属するノヴァーラ(イタリア)がアルバ・ブラジ(ルーマニア)を下してCEVカップ優勝を果たした。
決勝戦はノヴァーラホームとアルバ・ブラジホームの計2試合で争われ、先に行われたノヴァーラでの試合でノヴァーラが3-1 (25-12, 25-20, 20-25, 25-17)で勝利。大会の規定でノヴァーラは第2戦で2セット取った時点で優勝が決まるという状況だった。
試合は、まず第1セットをノヴァーラがこのセットだけで16得点をあげたOPトロクの大活躍でデュースの末に30-28で取り切る。すると続く第2セットも中盤までは競った展開となるが、その後OPトロクやOH石川のスパイクで抜け出し25-17でこのセットも奪ってノヴァーラがCEVカップ優勝を決めた(その後ノヴァーラはほとんどのメンバーを入れ替えた第3セットも取って試合にも3-0 (30-28, 25-17, 28-26)で勝利)。
大会MVPには2セットで計22得点をあげたOPトロクが選ばれた。OH石川も2セットでサービスエース2得点を含む7得点、サーブレシーブでは最多受数で攻守に渡りチームに貢献した。

しかし優勝直後にはイタリアリーグを制覇したとの誤解を与える内容の記事が出るなど一時的に誤った情報が流れた。おそらくCEVカップという大会の認知度の低さが影響していると思われる。ではCEVカップとはどのような大会だったのか。
ヨーロッパでは各国の国内リーグと並行してCEV(欧州バレーボール連盟)が主催するヨーロッパ広域の大会が行われている。このCEVが主催する大会は格式の高い順から欧州チャンピオンズリーグ、CEVカップ、チャレンジカップの3つがある。つまりCEVカップはCEV主催のクラブチーム向け大会の上から2番目の大会ということになる。
CEV主催の各大会の参加チームは、所属リーグと前シーズンの順位で決まる。例えば今季の女子イタリアは、昨季の1~3位のチームは欧州チャンピオンズリーグ、4位はCEVカップ、5位はチャレンジカップという形で振り分けられている。ノヴァーラは昨シーズンイタリアリーグ4位だったため、今シーズンはCEVカップに参加している。
ちなみにチャンピオンズリーグには関菜々巳所属のコネリアーノと福留慧美所属のミラノ(共にファイナル4進出)、男子では石川祐希所属のペルージャ(ファイナル4進出)と大塚達宣所属のミラノ(ベスト16で敗退)がそれぞれ参加している。
2024/25シーズンの各国リーグからの詳しい参加チーム数はこちらを参照。
今季の女子CEVカップには全27チームが参加し、国内リーグの合間の平日にホーム&アウェイの2試合の結果で勝ちあがるトーナメント方式で進められていった。
ここ3年連続でイタリア勢がこのタイトルを独占しており、昨シーズンは現クインシーズ刈谷のOPカヤ・グロベルナや現東レアローズ滋賀の林謙人コーチが所属していたキエリが優勝した。したがって女子CEVカップは2年連続で日本人の手に渡ったことになる。
正直各国リーグ間での力の差が大きいので、特にイタリア勢からすると国内リーグに比べてかなり楽になる試合も少なくないが、トルコやポーランドのチームは力があるので試合レベルの差が激しくなる。実際ノヴァーラもクゼイボル(トルコ)との試合では1度破れ、1勝1敗で迎えたゴールデンセットを取り切る形で勝利を収めた。
石川真佑にとってこれがイタリアでの初のタイトル。しかもスタメンとしてのタイトルだ。今後さらに獲得タイトルを増やしていけるか注目したい。

Photo: CEV
