今シーズン、ドイツの強豪リューネブルクへ移籍したリベロの高橋頌（しょう）選手。
日本では下部リーグでのプレー経験しかないにも関わらず、そこから海外でステップアップして世界最高峰のポーランドリーグまで上り詰めた異色の経歴を持つ選手です。今回はドイツでのシーズン開幕前に現地でお話を伺いました。
ー2023/24シーズンにポーランドのチェンストホヴァでプレーされ、シーズン途中で怪我をされてから、昨季はどこのチームにも所属されていませんでしたね。そこから今季はこのリューネブルクに加入されたわけですが、この間にどういうことがあったのか教えてください。
高橋：まずポーランドでプレー中にケガをして手術を受けました。そこから半年ほどでプレーできる状態には戻り、昨シーズンもクラブでプレーできるチャンスはあったのですが、ちゃんと治すことを優先してリハビリに専念していました。
そんな中でこのドイツのトップクラブ（リューネブルクは昨季ドイツリーグ2位、欧州チャンピオンズリーグ8強）からあいがたいお話をいただき、しかもシーズン前の早い段階からチームに合流してトレーニングをさせてもらえるということで、すぐに入団を決めました。
ー今のチームの状態はいかがですか。
高橋：まだ合流してない選手もいるんですけど（インタビュー時は9月中旬）、若い選手が多くて活気があるというか、本当にエネルギーに溢れています。また個々の能力も高いので、あとはどうやってチームを作り上げていくかというところですね。
監督のシュテファン（・ヒューブナー）は元々選手としてイタリアでプレーした経験があり、リューネブルクで10年以上コーチをしている経験豊富な方なので、チーム作りはシュテファンにお任せしています。
ただ僕自身もチーム内では年齢が上のほうなので、プレーだけでなくクラブのまとめ役としてもチームを引っ張っていきたいと思っています。
ー 今シーズンの目標を教えてください。
高橋：僕自身としては、ヨーロッパチャンピオンズリーグに出られるというのがすごく大きなチャンスだと思っています。同じグループにポーランドから2チームとポルトガルから1チームいて、簡単なグループではないですけど、個々の力が上手く組み合わさっていいチームを作り上げられたらそうしたチームにも勝てると僕は信じています。なので目標のひとつはまずチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに勝ち進むことです。
ドイツ国内では、常にベルリンがトップにいるので、今シーズンはベルリンを倒せるように頑張っていきたいと思います。
ー高橋選手はずっとヨーロッパのトップリーグでプレーすることを目標に掲げられて、2シーズン前にポーランド1部でプレーしてそれを叶えられましたが、やはりまたポーランドやイタリアなどの最高峰のリーグでプレーしたいという気持ちは強いですか。
高橋：もちろんです。ポーランドで怪我をしてしまい一度離れてしまいましたが、今回の怪我のことはポジティブに捉えています。これまで自分から動いてヨーロッパで練習参加したりして突き進んできて、コロナ禍でも練習参加してプロ契約を獲得するなど色々やってきました。だからこの怪我に関しても僕としてはそこまで大きな問題ではなく、むしろもっと成長できるチャンスだったと思っています。
実は今シーズンにポーランドでプレーする可能性もあったんですが、チャンピオンズリーグに出られるということが僕としてはより魅力的でした。今までそこでプレーしたことがなかったですし、アピールをする場としても最高だなという理由で、今シーズンはドイツを選びました。
ただ世界のトップリーグ、ポーランドやイタリアで最高の選手になりたいということでヨーロッパに来たので、その目標は変わらないです。
ポーランドでプレーしていた時に僕のことを評価していただいたクラブもあるので、あとは怪我から復帰してまた自分のパフォーマンスをしっかり出せば、戻れるチャンスは必ずあると思います。とりあえず今シーズンはこのドイツで、チャンピオンズリーグにも出られるので、そこでアピールしていきたいです。特に自分の持ち味であるレセプションと、年長者としての役割を果たすというところにフォーカスしていきたいなと思っています。
ドイツリーグは現地時間10月21日(火)に開幕し、リューネブルクはルートヴィヒスブルクと対戦。またヨーロッパチャンピオンズリーグは現地時間12月10日(水)に開幕します。ドイツリーグはDYN（https://www.dyn.sport/）、チャンピオンズリーグはEuroVolleyTV（https://www.eurovolley.tv/）またはCEV Youtubeチャンネル（https://www.youtube.com/@CEVolleyball）で視聴可能です。
高橋頌
1995年1月2日生（30歳）
身長：171cm
ポジション：リベロ
埼玉県さいたま市出身
春日部共栄高→大東文化大→埼玉アザレア（Vチャレンジリーグ）→アルタインバルス（モンゴル）→ルブリン（ポーランド2部）→ラッカパー（フィンランド）→チェンストホヴァ（ポーランド2部→1部昇格）→リューネブルク（ドイツ）
Photo: 筆者撮影、SVG Lüneburg
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