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ペルージャ完敗、石川祐希も奮闘も…第5戦へ【イタリアリーグPO準決勝第4戦】

2025年4月21日

現地時間4月20日(日)、イタリアスーパーレガPO準決勝ペルージャ(石川祐希所属)対チヴィタノーヴァの第4戦が行われ、ペルージャはチヴィタノーヴァに0−3(23-25, 20-25, 21-25)で敗れた。これで両者2勝2敗となり、勝負の行方は第5戦に持ち越されることとなった。

石川祐希はここまでのプレーオフでの試合と同様にベンチスタート。

第1セット、序盤にチヴィタノーヴァがOHボットロのスパイクやブロックなどで4-8とリード。そこからペルージャがOHセメニウクの連続エースなどで12-13と1点差まで追いつくが、チヴィタノーヴァがOHニコロフのスパイクなどでサイドアウトを取ってリードを保つ。そこからMBソレのブロックとOPベンタラのスパイクで20-20とペルージャが同点に追い付くも、その後23-23の場面からOHプロトニツキが連続でブロックに捕まり23-25でこのセットをチヴィタノーヴァが取る。

第2セット、序盤の5-5の場面でペルージャは前衛に上がってきたOHプロトニツキに替えてOH石川を投入。ペルージャはOH石川、チヴィタノーヴァはOHニコロフを中心に得点を重ねて15-16と試合が進む。しかしブロック&ディフェンスからの切り返しからOPラグンジアのスパイクなどで17-21とチヴィタノーヴァが抜け出す。その後ペルージャはサーブミスが続きブレイクが難しく、また最後はOH石川のアタックミスで20-25でこのセットもチヴィタノーヴァが取る。

第3セット、序盤はOHセメニウクのブロックやOPベンタラのスパイクで得点を重ねたペルージャが8-5とリードする。チヴィタノーヴァはMBシネニエズのブロックでブレイクし11-10と迫るも、ペルージャはOH石川のスパイクなどでサイドアウトを重ねて20-19となんとかリードを保つ。しかしOHニコロフの強烈なサーブからチヴィタノーヴァがブレイクを奪い20-20と並ぶと、さらにOHニコロフのエースとペルージャの3本のアタックミスで20-24とチヴィタノーヴァが一気にマッチポイントを握る。最後はMBシネニエズがクイックを叩き込んで21-25でこのセットを取り切ったチヴィタノーヴァが0-3で勝利した。

試合のスタッツはこちら

ペルージャは今シーズン初のストレート負け。この試合はミスによる失点が多く、3セットでチヴィタノーヴァの倍に当たる32点もの点数をそのまま相手に与えてしまった。これはチヴィタノーヴァの全体の得点の4割以上に相当する。

特に第2セットはミスだけで15失点、うちサーブミスで10失点した。ある程度のサーブミスはリスクを負った結果なので許容されるべきだが、1セットで10本のミスは多すぎる。これでペルージャは逆転の機会を失っていた。

また第1セットと第3セットは終盤でのアタック失点が非常に痛かった。第1セットはOHプロトニツキが連続してブロックに捕まり、第3セットはOH石川が2本続けてスパイクをアウトにしてしまった。

スパイクを放つOH石川

OH石川についてはプレーオフに入って初めてまとまった時間プレーした試合で、試合全体で見てみると約2セットで8得点、サーブレシーブ成功率69%とまずまずのパフォーマンスで、フェイントやリバウンドといった石川らしいテクニックや献身的な守備も見せていた。ただやはりセット終盤の3本のアタックミスと3セット目中盤の避けきれなかったアウトボールなどらしくないミスが目立ち、精彩を欠いたのは否めない。

もちろんチヴィタノーヴァは素晴らしかった。まず得点面ではOHニコロフが15得点、アタック効果率78%と決めまくっていたし、対角のOHボットロも14得点、アタック効果率45%と非常に好調であった。またエースこそ2本と多くはなかったものの、攻めたサーブでペルージャのレセプションを乱した。第3セット最後に大逆転劇の原動力となったOHニコロフのサーブが素晴らしかったのは言うまでもない。

スパイクを放つOHニコロフ

ブロックでは第1セットで5本のブロックポイントを奪ってその後のペルージャのアタックミスを誘った。フロアディフェンスでもこの試合のMVPを受賞したLビソットを中心に固く守った。また怪我を抱えていた本来の正リベロのバラソがレシーバーとしてこの試合から復帰したこともペルージャをさらに苦しめ、かつチヴィタノーヴァの士気を大きく高めた。

Lビソット(左)とLバラソ(右)

ただ個人的にはチヴィタノーヴァが良かった以上にペルージャが悪かった、自滅してしまった感が否めない。なぜならこんなにもサーブが入らず、こんなにも大事な場面で続けてアタック失点をしたことはかつてなかったから。第3試合後に石川が「アタック効果率が低かったので改善が必要」と語ったが、その点に関してもこの試合で修正することはできなかった。

ペルージャ側に立つと2シーズン前に石川祐希擁するミラノに準々決勝2勝3敗で敗れたことが頭をよぎる。ただ第5戦は何が起こるかまだわからないと言うことだ。そして個人的にはこのプレーオフの第5戦こそイタリアリーグの醍醐味であるし、クレクがインタビューで語ったくれたお互いを知り尽くした上で戦う「最高のバレーボール」が見られる絶好の機会である。

運命の第5戦は日本時間4月24日(木)27:30から。

Photo: legavolley.it, TOSHIKI

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