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石川真佑所属ノヴァーラが50連勝中のコネリアーノを破る大金星

2025年3月31日

記録の終わりは突然やって来る。

ここまで今シーズン無敗、昨シーズンから含めて公式戦50連勝中だったイタリアの女子バレーボールクラブで、今シーズンは日本の関菜々巳も所属するコネリアーノについに土がついた。

その無敗女王を破ったのはイタリアリーグでレギュラーシーズン2位のスカンディッチでも3位のミラノでもなく、4位だった石川真佑が所属するノヴァーラである。

試合はイタリアリーグのプレーオフ準決勝第2戦。コネリアーノホームで行われた第1戦はコネリアーノがノヴァーラを3-0 (25-17, 25-16, 25-13)と力の差を見せつける内容で下していたため、ノヴァーラホームの第2戦もコネリアーノの一方的な試合になると思われていた。

第2戦も第1戦同様にノヴァーラのOH石川は先発、コネリアーノのS関は控えからのスタートとなる。

第1セット、序盤はOPハークのスパイクやブロックで得点を重ねたコネリアーノが3-6とリード。しかしSボシオのブロックとOPトロクのスパイクで3連続ブレイクして7-6とノヴァーラが逆転すると、さらにMBボニファチオのブロックやOH石川のスパイクで12-8と点差を広げる。その後OPハークのエースなどで17-16とコネリアーノが1点差まで迫るも、ノヴァーラがSボシオのブロックや好守からのOH石川のスパイクでブレイクを決めて23-17と終盤でまた点差を広げる。そのまま最後はMBアレクシッチがOHガビをブロックで止めて25-19でノヴァーラがこのセットを取る。

第2セット、序盤はディグからの切り返してOHアルスマイヤーらがスパイクを決めノヴァーラが9-6とリード。直後にOPハークのスパイクやOHジュのブロックなどで9-11とコネリアーノが逆転するも、OPトロクのスパイクなどで12-12とノヴァーラがすぐに追いつく。その後OH石川のスパイクやサービスエースなどで17-14とノヴァーラが再び抜け出すと、さらにOPトロクのブロックやコネリアーノのミスで24-19と点差をつけてセットポイントを迎える。最後はOH石川が難しいトスをクロスに決めて25-20でこのセットもノヴァーラが取る。

第3セット、後がなくなったコネリアーノが序盤からOHジュのスパイクやブロックで0-4とリードする。その後もOPハークのスパイクなどでサイドアウトをキープし6-10と試合が進む。しかしMBボニファチオのブロックやOPトロクの連続ノータッチエースで12-12とノヴァーラが追いつくと、さらにOH石川のエースで15-13と逆転。そこからも堅い守備からMBボニファチオがスパイクを決めるなどして20-15とノヴァーラがリードをさらに広げる。終盤にノヴァーラのミスやOHジュのアタックで24-23とコネリアーノが1点差まで迫る。しかし最後は再びOH石川が完璧なパスから鋭いスパイクをクロスコースに決め25-23でこのセットを取り切ったノヴァーラが3-0で勝利した。

ノヴァーラ - コネリアーノ
3-0 (25-19, 25-20, 25-23)
MVP:OPトロク

この結果プレーオフ準々決勝(5戦3勝方式)は1勝1敗のタイとなった。またコネリアーノは去年の4月から続いていた公式戦無敗記録を50でストップさせた。

MVPはOPトロク。両チーム最多26得点(アタック21、サーブ3、ブロック2)、アタック効果率31%。コネリアーノのブロックに5本阻まれながらもそれを補って余る大車輪の活躍で、前衛後衛関係なく打ちまくった。またサーブも非常に強力で、特に第3セットでの相手イタリア代表リベロであるデジェンナーロも見送る2連続ノータッチエースは圧巻であった。

OPトロク

OH石川もチーム2位タイの12得点(アタック9、サーブ2、ブロック1)の活躍で勝利に貢献。マッチポイントなどプレッシャーのかかる場面でも低身長を感じさせない鋭いスパイクで確実に得点を決めた。またサーブでは自身のエースで第2、第3セットにチームが流れに乗るきっかけをつくった。ブロックやレシーブといったディフェンス面でもなんどもチームを助けた。

OH石川

石川に限らず、この試合ノヴァーラは特にサーブとディフェンスがすばらしかった。サーブではチーム全体で7本のエースを決めるなど常にコネリアーノにプレッシャーを与え続け、またディフェンスでは相手の強力なスパイクを何度もレシーブしてブレイクに繋げた。特にコネリアーノのOHガビとOHジュによるレフト側からのアタック決定率を抑えることに成功し、試合を有利に進めることができた。

コネリアーノは決してミスが多かったわけではなかったが、ノヴァーラのアグレッシブなサーブと堅いディフェンスを攻略できなかった。OPハークだけはサイドアタッカーのなかで唯一高い決定率でアタックを決めていたが、それだけでは試合を覆すことはできなかった。

S関も1セット目にノヴァーラリードの場面で投入されたが、試合の流れを変えることはできなかった。

石川祐希が所属する今季の男子ペルージャが「銀河系集団」と称されていたが、はっきり言って今季の女子コネリアーノはそれ以上の「銀河系集団」だ。ブラジル代表ガビや中国代表ジュなどをはじめほぼ世界選抜チームと言ってもいい。

ただコネリアーノは昨シーズンもレギュラーシーズン無敗からプレーオフ準決勝で初めて敗北を喫したので、今シーズンもプレーオフのどこかで敗れるとは思っていた。しかしまさかストレートで敗れるとは誰にも想像できなかったのではないかと思う。昨シーズン敗れた2戦はどちらもフルセットだったし、ストレートで敗れた試合など本当にかなり久しぶりの出来事だったのではないかと思う。

ノヴァーラは本当に大きな大きな1勝を得た。しかし決勝戦に進むにはこれをあと2回繰り返さなければいけない。おそらくこれは2022/23シーズンに石川祐希擁する男子ミラノが準々決勝でレギュラーシーズン無敗だったペルージャを破ったこと以上の難易度だと思う。コネリアーノはこの敗北からさらにギアを上げてくるだろう。

注目のプレーオフ準々決勝第3戦は日本時間4月6日(日)22:20から。VBTVで視聴可能。

Photo: legavolleyfemminile.it

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