試合レポート

ミラノ、石川祐希がMVPの活躍でチヴィタノーヴァを3-2で下して準決勝は1勝1敗

イタリア男子バレーボールリーグセリエA、石川祐希所属ミラノはチヴィタノーヴァとのプレーオフ準決勝第2戦を現地時間4月16日(日)にホームで戦い、3-2(25-18, 20-25, 25-21, 21-25, 15-9)で勝利しました。

石川祐希はこの試合スタメンで出場し、両チーム最多の22得点の活躍で試合のMVPにも選ばれました。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

チヴィタノーヴァ

OH:ニコロフ(ブルガリア)、ヤント(キューバ)
MB:シネニエゼ(フランス)、アンザーニ(イタリア)
OP:ザイツェフ(イタリア)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラーゾ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、出だしからメルガレホの連続スパイクとニコロフの連続アタックミス、そしてパトリィのサービスエースで6-0とミラノが一気にスタートダッシュをきります。

そこからパトリィのスパイクを中心にサイドアウトを取り、ピアノのブロックやパトリィのブロックで18-11とさらに点差を広げます。

終盤もそのまま続き、最後はチヴィタノーヴァのサーブがアウトになり、25-18でこのセットをミラノが取ります。

第2セット、序盤はミラノがロセルのスパイクやサービスエースなどで8-6とリードしますが、チヴィタノーヴァもザイツェフの連続スパイクとサービスエースで10-11と逆転します。

そこからは石川やヤントがそれぞれスパイクを決めて16-16と競った展開となりますが、そこからニコロフのスパイクやザイツェフのブロックなどで16-19とチヴィタノーヴァが3連続ブレイクで抜け出します。

さらにその後もニコロフのアタックなどで連続得点を決めて18-24とチヴィタノーヴァがセットポイントを握ると、最後はアンザーニのクイックが決まって20-25でこのセットをチヴィタノーヴァが取ります。

第3セット、出だしはミラノの石川とチヴィタノーヴァのシネニエゼの打ち合いとなり、両者が後衛に下がった後もサイドアウトの奪い合いで8-8と競ったまま試合が進みます。

しかし直後のポッロのサーブから、自身のサービスエースや石川のスパイクとブロックで4連続ブレイクを決めて13-8とミラノが一気に抜け出します。

その後チヴィタノーヴァが途中出場のボットロ(OH、イタリア)のサービスエースやザイツェフのスパイクなどで18-16と2点差まで詰め寄りますが、ミラノもロセルやパトリィのスパイクでブレイクして23-18と再度点差を広げます。

そして最後はメルガレホのスパイクが決まって25-21でこのセットをミラノが取ります。

第4セット、序盤はロセルのブロックや石川のサービスエースで5-2とミラノがリードします。

しかしその後ニコロフのスパイクやヤントのサービスエースで8-9とチヴィタノーヴァが逆転すると、さらにニコロフがスパイクを決めて10-12とします。

そこからはサイドアウトが続きますが、終盤にシネニエゼのスパイクで16-19とチヴィタノーヴァが点差を広げると、ザイツェフのスパイクなどで20-24と先にセットポイントを握ります。

最後はメルガレホのサーブがミスとなり、21-25でこのセットをチヴィタノーヴァが取ります。

第5セット、序盤からチヴィタノーヴァのアタックミスが続き、石川のパイプ攻撃やロセルのクイックが決まったミラノが6-2とスタートダッシュに成功します。

そこからピアノ、パトリィにブロックポイントが出て11-5と点差をさらに広げます。

試合は終盤もそのままミラノリードで進み、最後は石川のスパイク、そしてロセルのブロックが決まって15-9でこのセットをミラノが取ります。

結果、ミラノが3-2でチヴィタノーヴァに勝利しました。

MVP:OH石川祐希(22得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率54%、サーブレシーブ成功率52%)

プレーオフ準決勝第3戦は現地時間4月19日(水)20:30(日本時間翌3:30)からアウェイのチヴィタノーヴァで行われます。

試合の感想など

やっぱり第1戦とは見違える動きでチヴィタノーヴァに勝利!!!!

特に1セット目はパトリィがスパイクにサーブに大活躍でチヴィタノーヴァを圧倒していました(相手のアタックミスも多かったのもありますが)。

パトリィが調子がよいとチヴィタノーヴァ相手でもここまで楽に戦えるというのを改めて感じたセットでもありました。

このままMVPまで取ってくれるかと思っていたらその後やや失速…。

MVPはパトリィの失速と反比例してガンガンにオフェンスギアを上げていった石川が獲得しました。

個人的にはパトリィの覚醒&MVP獲得こそが決勝進出、そして優勝への最大のピースだと考えていますので、早く彼には何かしらきっかけを掴んで確変を起してほしいなと思っています。

石川がすごいのはもう十分わかっているので、マスター・ユーキ(ボットロ談)だから(笑)。

3セット目の14点目だったと思うんですが、ネットの真ん中あたり上がった難しいハイボールを3枚ブロック相手に強打して吸い込みで得点にしたシーンは痺れましたね。

基本的にああいう場面では石川はリバウンドを取るのですが、そこをあえて裏をかいて強打したことが得点につながったんでしょう。

スローのリプレイとかあればブロックの動きとかが見えて、このあたりの空中の駆け引きがよりわかって面白いんじゃないかと思います。

でもその前にギリギリでアンダーハンドでつないでかつ打てるセットにしたパトリィもナイスプレーでした。

やっぱりこのコンビもアツいな。

チヴィタノーヴァはザイツェフがすごかったです。

オポジットに入りながらS6ローテを除いてすべてサーブレシーブに入り、後衛では2ローテパイプ攻撃に入る器用ぶり。

それでアタック決定率63%、サーブレシーブ成功率62%と高い数字を残しています。

イタリア代表では東京オリンピック後の世代交代で干されてしまっていますが、やっぱりいい選手なんですよね。

ゴリラっぽいからパワフルさが強調されがちですけど、もともとセッターからキャリアをスタートさせてのOP/ OHの二刀流ですから器用じゃないわけないんですよ。

ほんとうに敵にすると嫌な選手です。

また第1戦同様に打ちまくっていたニコロフですが、この試合は彼の不安定さに救われましたね。

ミラノが取ったセットとチヴィタノーヴァが取ったセットで面白いように調子が上下していて決まるときはめちゃくちゃ決まるけど、ミスするときは連続でミスる。

まだ19歳なんで、これが安定してくると本当に厄介な選手になるでしょう。

またこの試合はロセルとシネニエゼの新旧ミラノ外国人ミドルもよく目立ってました。

スパイクではシネニエゼが、ブロックとサーブではロセルに軍配があがっていましたね。

ただチヴィタノーヴァのセッターはロセルと同じアルゼンチンのデチェッコだから、この2人が組んでいたらもっと恐ろしかっただろうなと思ったりしました(笑)。

そんなこんなでまあなんとかフルセットで勝ったミラノ。

この勢いのまま第3戦のアウェイで連勝できるか、はたまたチヴィタノーヴァが巻き返すか。

少なくともアツい試合展開になることは間違いないでしょう。

ただ個人的にはまたペルージャのようにお互いにホームで取り合って第5戦までもつれるんじゃないかと勝手に思っています。

写真:Powervolleymilano

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