コラム

東京五輪メンバーに12名対する思いを語る⑤【アウトサイドヒッター編その1】

2021年7月4日

#21 高橋藍

高橋藍については最近もひとつ記事を書いていました。

彼のプレーを最初に見たのは高1時の春高予選決勝。大塚のところでもふれた洛南と東山の激戦の映像でした。当時の東山は兄の塁(現日本大学)と藍との兄弟対角Wエースで、やはり勝負どころではキャプテンでもあった兄にトスが上がっていましたが、藍も当時まだ身長183cmで体の線もかなり細い中でもフロント・バック関係なくキレのあるスパイクを洛南コートに叩き込んでいて凄いなとは思っていました。ただやはりそのときは大塚・垂水に目が行きがちでしたし、またその年の春高で優勝した鎮西の水町(現早稲田大)が当時は高橋以上にえげつなかったので、彼への注目度はそこまで高くはなかったです。

今振り返ってみても、高1のときは完全に水町の方が高橋より上だったと思います。ではその後の彼らの命運を分けたのはなんだったのでしょうか。これは僕の意見ですが、水町が高1の時点でもうほとんど「完成された過ぎた」選手だったのに対し、高橋は身長の伸びもも含めてまだまだ「未完の大器」だったからだと思います。

そうしてメディアでも洛南カルテット、そして水町にばかり注目が集まるなかで高橋は確実に成長していっていました。それは僕もノーマークでした(笑)。高2の春高予選決勝の映像を見ても身長は伸びてはいますが、まだ水町と比べると劣っている印象でしたが、その後ジュニアオールスタードリームマッチで最優秀選手賞、新チームは東山が強いといううわさが流れ、インターハイは松本国際に負けちゃったけど、国体は優勝。東山を見たい、高橋藍を見たいという気持ちの高まりを抑えられませんでした(笑)。インターハイや国体の映像は確かYoutubeに上がってたんですけどカメラが遠くてわかりにくかったんですよね。そして迎えた春高予選。前年にボコボコにされた洛南をボコボコにしてました。洛南のバレーはシンクロ攻撃中心で個々の選手の能力も高く見ていてとても面白かったですが、その中でもはやり高橋はずば抜けていて、1年前と比べても高さ・パワー・キレがかなり増していて別の選手を見ているようでした。それほど成長が凄かったです。本番の春高でのパフォーマンスも言わずもがな圧巻で、決勝と準決勝は会場で見ましたが、どのチームも高橋藍に対してはスパイク、サーブともにやられたい放題でしたね。試合ではなく高橋をはじめとする東山高校バレー部のショーを見せられているようでした(笑)。

この選手はこのまま成長をつづけていけば確実に代表まで上がってくるだろうけど、現実的には(まだ延期も決まっていなかった)東京五輪は厳しいだろうと思っていました。だから2024年のパリ五輪を目指して頑張ってほしいと思っていましたし、チャンスがあったので本人にもそう声をかけました。ところがどっこい、早々とその年の代表に呼ばれて紅白戦でまず大活躍、それから1年を経て身体も大きくなって帰ってくると、紅白戦と中国戦でも大活躍。ネーションズリーグでは、中盤以降主にスパイクで苦しんでいた印象でしたが、それでもサーブとレシーブは安定して抜群によかったし、なにより石川の対角の第1候補としてバンバン試合に出てチームの勝利に貢献してくれました。何このスピード出世…。僕は彼の成長速度を完全に見くびっていました。本当にすごい。こんな選手が出てくるなんて本当にビックリでした。おそらく東京五輪本番でも石川の対角に入ってくるのはこの高橋藍でしょう。進化し続ける19歳に今後も目が離せません。

あと実際話した印象としてはめちゃめちゃ好青年でしたので、もちろんイケメンなんで、嫌でも応援したくなる選手とですね~(笑)。やっぱりスターはすごいわ。

写真: FIVB

 

 

 

-コラム
-, , , , , ,